現在の日本では、人口減少と家の相続により、年々空き家が増え続けています。
2030年頃には、3軒に1軒が空き家となるのではないかといった予測もあり、大きな問題となっています。
10年ほど前から、団塊の世代の高齢化で、今後は大相続時代がくると予測されています。
現在、相続は大きな問題になっていますが、これを見越して相続士、相続診断士、相続プランナー、といった相続に関する新たな資格が誕生しました。
将来的に問題化するのが明らかなのが空き家の問題です。
この空き家に関連する資格が「空き家相談士」です。
増え続ける空き屋の問題
日本では人口減少時代に入り、毎年人口が減少しているのにもかかわらず、建物数は上昇しています。
日本は欧米と違って建築の許可が受けやすいというのと、デベロッパーが馬鹿みたいに建て続けているからというのが理由です。
このまま空き家率が上昇すれば、資産にならない不動産も出てきます。
現在も都市部では不動産価格は上昇していますが、地方に目を向けるとただでも引き取り手がいないといった不動産も多く、郊外の不動産を購入する場合は将来の資産価値について考えておく必要があります。
管理人は、不動産協会やファイナンシャルプランナーの勉強会によく参加していますが、相続と空き家はよく取り上げられるテーマです。
それだけ相続と空き家に関するテーマは、世間から注目されているということです。
空き家相談士資格
空き家相談士は、資格試験というよりも、講座を受講すれば普通は受かるようになっています。
受験資格は、特になく、誰でも受講できます。
空き家相談士を名乗れるのは、2日間の講座を受講し、試験に合格したうえ、登録をした人です。
受講料は、60,000(現在50,000円)と高く、受講後に行う試験合格後にも登録料が20,000円かかります。
さらに、2年ごとに更新料が20,000円かかります。
独占業務がないし、維持費も高いのを考えると、サラリーマン向きじゃないですね。
登録すると空き家相談士証というカードが交付されます。
認定講座の内容
空き家相談士認定講座でどのような講義が行われているのかみていきます。
第1章 総論
戦前戦後の不動産と住宅事情、戦後の地価の上昇と変遷、少子化問題、高齢化問題、空き家とは、空き家相談士とは、コンプライアンス 等
第2章 空き家に関する実態法的論点
空家等対策の推進に関する特別措置法、賃貸借契約、不法行為、実際の紛争解決方法 等
第3章 空き家と関連法規
不動産登記、相続、遺言、成年後見、信託 等
第4章 空き家に係る税務知識
不動産保有に係る税金、所得税、相続税と相続時精算課税制度、贈与税 等
第5章 空き家に係る建築知識
空き家の運用方法、建築基準法(耐震規定)の改正、耐震診断、用途変更と建築確認申請、建築物の解体、リノベーションとコンバージョン 等
第6章 空き家の現状と国・地方自治体の取組
空き家の現状、特別措置法関連情報 等
第7章 空き家相談
相談業務の概要、空き家相談の窓口業務、相談のための基礎知識 等
第8章 空き家の予防
空き家予防の必要性、紛争の未然防止、親子の意向の確認、処分や利活用の準備 等
第9章 空き家の管理
管理の必要性、管理のポイント、管理ビジネス 等
第10章 空き家ビジネス
空き家ビジネス 等
第11章 空き家の利活用など
空き家発生のメカニズム、利活用のための基礎知識、「居住者がいない」要因の整理と対処策 等
といった内容の講義が2日間にわたって行われていきます。
空き家相談士は、不動産関連の業者に勤める人が多いようです
空き家相談士は、圧倒的に不動産屋さんが多いです。
管理人は不動産屋に知り合いが多いので、空き家相談士を検索すると顔見知りの人が出てきます。
個人が受講するには、費用が高いですが、正会員として掲載されるなら、宣伝費としてみることもできます。
講座については、不動産であれば半分以上は知っている内容です。最近、不動産業界で働きだした人なら勉強して損はないかもしれません。
個人には高いかもしれませんが、会社の宣伝としてみると特別高いわけではないかも。