社会保険労務士(以下社労士)は、資格試験に合格しただけではなれません。
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社会保険労務士試験の試験概要
社会保険労務士(以下社労士)は、企業で重要とされる「人・物・金」のうちの人に係る国家資格の一つです。 社労士が扱う仕事にどんなものがあるか例を挙げると、「新しい人を雇用したときの雇用手続 …
社労士になるには、社労士試験合格した後に、社労士名簿への登録と都道府県社労士会への入会が必要です。
社労士の登録は、都道府県社労士会で申請を行うので、登録申請をすれば自然と都道府県社労士会に入会することになります。
また、社労士の登録申請をする際には、「従事期間証明書(2年以上の実務経験)」か「事務指定講習の修了証」が必要になります。
事務指定講習というのは、2年以上の実務経験がない人に向けて行われる講習のことです。
事務指定講習は、1年に1度しか機会がなく、費用も75,600円するのに、申請できる期間は2~3週間しかないので注意が必要です。
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社会保険労務士(社労士)の事務指定講習には通信指導と面接指導がある
社会保険労務士になるには、社会保険労務士試験に合格した後、実務経験2年以上の要件を満たしたうえで、さらに登録が必要です。 しかし、現実には社会保険労務士事務所の求人は多くはなく、社会保険 …
管理人は、過去に社労士事務所で働いたことがなかったので、社労士登録するには事務指定講習の受講が必須でした。
事務指定講習の案内は、社労士試験の合格証と一緒に郵送で送られてきます。
開業を躊躇する原因の一つが実務経験ですが、開業社労士のほとんどが事務指定講習を経て開業しており、社労士事務所で経験を積んでから独立する人は実はそう多くありません。
無事に事務指定講習を修了したら、社労士登録ができます。
3つの社会保険労務士登録
士業というと登録イコール開業というのが普通ですが、社労士の登録には「開業登録」以外にも「勤務登録」と「その他登録」があります。
社労士の3つの登録
・開業登録
・勤務登録
・その他登録
独立して自分の名前で社労士として活動していく人は開業登録になります。
開業社労士の中には、軌道に乗るまでに10年かかったという人もいます。集客・メイン業務・方針等は全て自己責任となります。
売り上げが少ないうちは、バイトしながら活動している社労士もいます。
あまり難しく考えるといつまで経っても開業に踏み出すことができないと思います。
勤務登録は、企業等の団体に所属しながら社会保険労務士として登録するケースです。
勤務登録のメリットとしては、企業に勤めながら社労士登録ができるので、会社員のまま安定した給料がもらえるうえ、社労士を名乗れることです。
ただ、勤務登録しなくても自社の社会保険手続きは誰でもできるので、高い年会費を考えると微妙な感じは否めません。
その他登録は、開業登録と勤務登録になれない人が対象の社労士登録です。
その他登録も勤務登録と一緒で会費集めのためにあるような制度です。
ネットでもお金の無駄という書き込みが目立ちます。
強いて言うなら、その他登録であっても支部会の勉強会に参加することが出来たり、毎月「月間社労士」という会報誌が送られるといったところでしょうか。
社会保険労務士登録に必要なもの
「2年以上の実務経験」か「事務指定講習修了証」があれば、社労士登録できます。
以下、都道府県社労士会が登録申請に必要としている書類です。
登録申請に必要な書類
・社会保険労務士登録申請書(社会保険労務士登録申請書は、事務指定講習の案内と一緒に送られてきます。ない場合は都道府県社労士会に言えばいいです。)
・合格証書のコピー
・従事期間証明書又は事務指定委講習修了証のコピー
・住民票の写し
・顔写真(3cm×2.5cm)、貼付して提出
書類のほかには、お金が必要です。以下、神奈川県社労士会の場合です。
登録にかかる費用
・収入印紙30,000円
・手数料30,000円
・入会金(開業登録70,000円、勤務・その他登録40,000円、)入会金は都道府県で違います
・年会費(開業登録90,000円、勤務・その他登録45,000円)年会費は都道府県で違います
政治連盟の会費年6,000円
年会費は、入会月によって異なります。
年度の途中で入会した人は、3月までの月割計算となります。
登録の申請先は、開業登録と勤務登録は事務所所在地の社労士会、その他登録の場合は住所地の社労士会に行います。
登録後の活動は支部単位
都道府県社労士会に入会した場合は、さらにエリアごとにある支部に所属することになります。
社労士の必須研修や基礎実務研修は都道府県単位で行われますが、普段の活動は支部会単位で運営しています。
必須研修と支部会の参加は無料ですが、基礎実務研修は数千円かかります。
必須研修は開業登録のみが対象になるみたいですが、支部会は「勤務登録」や「その他登録」の人でも参加できます。
支部会ではどのようなことをするかというと、支部活動についての報告を聞きます。支部会終了後に勉強会もあるので、勤務登録やその他登録の人にとっても勉強になるかもしれません。