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八つ墓村のモデルとなった「津山三十人殺し事件」

投稿日:2019年3月20日 更新日:

横溝正史の作品で有名な「八つ墓村」は、実際に起きた事件をモデルにしているといわれています。

 

八つ墓村のモデルとなった事件が、昭和13年5月21日に岡山県の津山で起きた「津山三十人殺し」と呼ばれる事件です。

 

この事件が異常なのは、たった百人ほどの村が犯人である「都井睦夫」一人の手によって襲撃され、一夜にして三十人の死者が出たということです。

 

この事件があった村には、昭和13年5月21日が命日のお墓が数多くあるそうです。

 

津山三十人殺し事件

「津山三十人殺し」は、昭和13年5月21日に岡山県の津山にある田舎の村で起こった事件です。

 

犯人の名は「都井睦夫」といい、都井は一夜にして29人を殺害した後に山中へ逃げ込み、最後には手にしていた猟銃で自殺したため、自分を含めて30人を殺したといわれています。

 

人口百人余りの村の集落で一夜にして三十人が殺害された事件は、犯行時間2時間という短期間で都井一人によって実行されたというショッキングなものでものでした。

 

二十一日午前一時四十分ごろ、苫田郡西加茂村大字行重部落、農業都井睦夫(二十二年)は、かねて同人を邪魔扱いにする部落民を殺害しようと、黒詰襟にゲートル、猛獣狩用口径十二番九連発の猟銃を手にし、日本刀を腰にさし、そのうえ短刀をポケットに入れ、用意周到に同部落の電線を断ち切り、部落全体を暗黒にしたうえ、自分はナショナルランプを腹に、頭に懐中電灯二個をくくりつけ、さながら阿修羅の扮装で、まず自分の祖母いね(七十五年)の首を手斧ではねて即死せしめ、身体にはめちゃくちゃに銃弾を射ち込み、続いて燐家の丹羽イト(四十七年)方に侵入、就寝中のイトに瀕死の重傷を負わせ、昏倒するのを見澄まして、かたわらに寝ていた同人娘つる代(二十一年)を日本刀と猟銃で殺害、続いて寺井政一の一家五人、寺井好二方の一家を全滅せしめたうえ、返り血を浴び悪鬼のごとく荒れ狂い、深い眠りに落ちていた付近民家を片っ端から襲い、二十九名を射殺又は斬り殺し、血まみれとなり附近の山林間に逃走したが、急報によって駆けつけた県刑事課から国富課長ら、津山署より山本署長以下全員出勤、附近消防組、青年団約千五百名の協力を得て、大々的な山狩りを行い捜査中のことろ、同日午前十時半ごろ同村青山の荒坂峠附近山中で、猟銃で自殺している犯人を捜索隊が発見した。

「津山三十人殺し 筑波昭著」

 

幼少の頃の睦夫は、村始まって以来の神童といわれ、周囲の住民からも可愛がられていたそうです。

 

睦夫が変わるきっかけになった一つの出来事が結核といわれており、それがきっかけで被害妄想が激しくなっていきます。

 

睦夫の村では、夜這いが盛んだったため、睦夫もお金を渡しては村の主婦に夜這いしていました。

睦夫が犯行を決意したきっかけのもう一つが、夜這いをしても相手にしてもらえなかったということでした。

 

普段は世の中のことに興味を示さなかった睦夫でしたが、事件の2年ほど前に起った阿部定事件には大変興味を持っていたといわれており、事件の切り抜きを集めていたほどでした。

睦夫は、性欲が人一倍強かったようで、その手のことには非常に興味を持つ男だったようです。

 

 

津山三十人殺しの事件は、横溝正史の「八つ墓村」、松本清張の「闇に駆ける猟銃」のモデルとなった事件といわれています。

 

都井睦夫

都井睦夫が犯行に及んだきっかけは、結核とセックスだったようです。

 

結核は、当時は不治の病といわれており、このことがきっかけで自暴自棄になったものといわれています。

 

睦夫は、村の主婦に金銭を払ってセックスの相手をしてもらったことで自信をつけ、西川良子(20)、西川智恵(18)、寺井ゆり子(20)、寺井由起子(19)、丹羽つる代(19)、岸田みさ(17)など、部落内の若い女性にことごとく夜這いを仕掛けます。

しかし結果はいずれも不調に終わってしまいました。

 

さらに追い打ちをかけたのが、以前は仲良くしていた寺井ゆり子が別の男に嫁いだということでした。

睦夫は、ゆり子が実家に里帰りをしたこと、何度情交を迫っても拒絶された西川良子が実家に来ていたこと、この2つが犯行の直接的な動機になったと遺書に残しています。

この機をとらえ、睦夫は夜這いを断られた女性に対して家族もろとも殺害するという凶行におよんだのでした。

 

都井睦夫(22)

 

都井睦夫の特徴

1.変質的な性格

2.結核による厭世観

3.女性に対する逆恨みが激しい

 

最初に世話になった祖母を殺害したのは、後に残る不憫を思ってのことでした。

寝ている祖母に近づき、手にしていた斧を振り上げ、力いっぱい振り下ろすと、首は一撃で切断されて吹っ飛んでいったそうです。

 

祖母を殺害した後は、隣に住む岸田家の一家を殺害しました。

殺害の理由は、母と娘に情交を迫って拒絶されたからです。

 

岸田家の一家を殺害した睦夫は、次に西川一家を殺害するため西川宅に侵入しました。

理由はやはり母と娘に対する夜這いが失敗したこと、そして娘に情交を迫ったことを言いふらされたからです。

にゃんこ
あほくさ

 

こんな感じで村の住人29人をたった2時間という短時間で殺害した睦夫は、付近の山中に逃げ込み、遺書を書いた後、持っていた猟銃で自殺しました。

 

津山三十人殺しを扱った読みやすい本

その狂気、やむことなし!
横溝正史『八つ墓村』
松本清張『闇に駆ける猟銃』
名だたる作家たちが、幾度となくこの事件の真相に迫ろうとした。
日本犯罪史上に残る「大量殺人事件」を追った、事件ノンフィクションの金字塔。

その男は三十人を嬲り殺した、しかも一夜のうちに――。
昭和十三年春、岡山県内のある村を鮮血に染めた「津山事件」。
漆黒の晩、日本刀一振と匕首二口、そして猟銃をぶら下げ襲撃を遂行し、その後、自らも果てた男の抱える闇とは何だったのか?
丹念な取材と豊富な捜査資料をもとに再現される、戦慄の惨劇。
日本犯罪史に暗い影を落とす“大量殺人の記録”に迫る。不朽のノンフィクション。

 

津山三十人殺しの事件を扱った本は多いのですが、中には法律的見地から書かれたものや精神学者による分析といったものがあります。

この本なら写真や村の見取り図と一緒に解説があり、資料も多く使用されているので分かりやすく読みやすいと思います。

 

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