資格試験には、電卓を使って計算を解くものが数多くあります。
簿記検定、ファイナンシャルプランナーといった人気の資格試験から、公認会計士や税理士といった難関資格試験まであります。
なかには電卓のスピードそのものが求められる電卓実務検定なんてものまであります。
簿記検定試験は、計算問題が多いため、電卓のスピードが速くないとだめと思っている受験生がいますが、それは全くの誤解です。
簿記検定試験やファイナンシャルプランナー試験は、電卓の試験ではありません。
勉強そっちのけでスピードアップを図ろうと、電卓の練習をする受験生もいますが、実際に重要なのは計算の過程があっているかどうかであって、試験で求められるスピードは大したことありません。
むしろ読解力といった国語の方が合格には必要です。
簿記試験に対する間違ったイメージ
電卓の使用が許可されている試験はたくさんあります。
特に電卓のイメージが強い試験が「簿記検定」ではないでしょうか。
簿記検定試験では、電卓は必須のアイテムですが、イメージには誤解も多かったりします。
過去に管理人が簿記講座を受け持ったときのことです、簿記講座の授業前に簿記に対してのイメージを聞いたところ、いくつかの答えの中に、「電卓をたたくのが遅いから無理」「計算が苦手」「私文系だから」といった答えもありました。
これらは簿記に対するイメージの間違ったものです。
簿記は電卓のスピードよりも計算式があってるかどうか、途中のプロセスが重要です。
なので計算が苦手でも簿記は問題ありません。
むしろ簿記は理系よりも文系に向いている試験です。
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簿記検定で求められる電卓のスピード
まず、簿記検定と言っても入門の日商簿記3級から、かなり高度な知識が必要な日商簿記1級まであります。
簿記検定には、他にも「全経簿記」「全商簿記」といった資格試験がありますが、こちらの試験は学生向けの内容なので日商簿記よりもスピードは求められません。ですからここでは触れません。
日商簿記試験の会場では、入門レベルの3級でもスピードがやたらと速い人もいますが、日商簿記3級は電卓で答えを出せればゆっくりで問題ありません。
日商簿記3級程度なら時間も十分ありますし、複雑な計算も出ないため、電卓なしで合格した受験生もいるくらいです。
しっかりと勉強した人なら、見直しを十分しても時間は余ります。
しかし、2級となるとそうはいきません。
2級は複雑な計算も求められるため、電卓はスムーズに打てることは大事です。
しかし、それでも普通に電卓をうてれば時間内に全ての問題を終えることができます。
日商簿記1級になると、問題の量が一気に多くなりますが、実は簿記1級であってもそこまで電卓のスピードは求められておりません。
むしろ1級では、計算ミスをいかに防止するかの方が重要です。
管理人は電卓のスピードは実は遅く、管理人よりも遅い人はあまり見たことがないくらいです。そんな管理人がいうのですから本当です。
簿記検定試験は、電卓実務検定のように電卓のスピードを求められる試験ではないので、正確であれば遅くても問題ありません。
日商簿記検定では、むしろ問題文を読み解く読解力の方が重要です。
簿記1級でも、合否を分けるのは問題の意図を読み切れるかどうかです。
ちなみに簿記の試験では、電卓のメモリ機能や定数計算を知っていると、計算間違いを防げ、スピードアップも図れます。
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電卓操作をマスターして、簿記試験、FP試験で5点アップを目指す
簿記検定試験やファイナンシャルプランナー試験(FP技能士試験)では、電卓を持ち込んで問題を解いていきます。 簿記検定試験とFP技能士試験のどちらも1級レベルになると電卓ミスが致命的となります。 税理士 ...
簿記検定試験は、試験までにちゃんと勉強してきた人であれば、試験内に終わる量の問題しか出ません。
結論
簿記検定では、電卓のスピードは遅くても問題ない
公認会計士試験や税理士試験では、試験時間内では終わらない問題の量が出るので、電卓のスピードは速い方が良いのですが、それでもスピードよりも正確さの方が重要です。
意外と思うかもしれませんが、CFP試験もかなり計算問題が多いです。
しかし、計算の端数をどうするかまで指示されるように、CFPの試験も問題文をよく読むことが重要です。
CFPの試験の場合は、問題がパターン化してるので、過去問を繰り返し解いていればスピードアップできますし、合格点を確保できるまでになります。
簿記は計算が苦手な人は無理という誤解
簿記には、計算が得意な人に向いていて、計算が苦手な人には向いていないといった誤解があります。
確かに簿記試験では、計算問題がたくさん出題されますが、計算は電卓が行ってくれるので、計算が苦手な人でも問題ありません。
再三言ってるように、簿記の試験では計算能力よりも文章を読み解く読解力が求められます。
反対に読解力がないと出題の意味が分からずに不合格となってしまいます。
また、問題集を繰り返したことによって、パターンができてしまっている人も要注意です。
問題をちらっと読んで、いつものパターンだななどと解答すると、少しの違いに気づかず解答ミスになることもあります。
ミスするのは、計算が苦手だからではなく、うっかりさんだったり、読解力がないからです。
簿記の試験は文系には向いていないという誤解
「私は文系だから」といった理由で、簿記に対してマイナス意識を持っている人も多いです。
上述したように、簿記試験で計算能力はあまり必要ではなく、むしろ問題をよく読むということが必要です。
なので、文系の人こそ簿記を学んだ方がいいのです。
簿記を学んで簿記の構造を理解すると、自然と論理的な思考もできるようになるので、文系の人には思わぬメリットです。
特に学校の勉強で書いて覚えるだけの勉強をしてきた人には、論理的思考力が磨かれていいのではないでしょうか。
文学少年や文学少女は、文を読むことになれていますから基礎的な力があります。あとは小説をテキストに変えるだけです。
管理人が実際に使用した簿記のテキスト
最後に管理人が実際に使用した簿記のテキストを紹介します。
以下のテキストを使用して独学で簿記1級まで合格しました。
日商簿記3級
管理人は、日商簿記3級はネットスクールの「サクッとうかる」を使いました。
当時のテキストが残ってますが、たいして勉強した形跡がなく、よく受かったなと思います。
このテキストは、要点だけがコンパクトにまとまっているので、時間が無い人にもおすすめです。
必要最小限で合格するためのテキストです。
日商簿記2級
日商簿記2級では、資格学校のテキストではなく、アマゾンで検索しても出てこないものを使ってました。
問題集は、資格学校大手の大原のものを使ってましたが、こちらも検索しても出てきませんでした。
日商簿記1級
管理人が使ったテキストは、ネットスクールの「サクッとうかる」シリーズです。
このテキストは全部で6冊ありますが、他のテキストよりも全体的に量が少なめです。
合格までに15回くらいまわしたと思います。当時のテキストはボロボロになるまで使い込みました。
テキストはサクッと受かるシリーズでしたが、問題集は「とおる」シリーズを使いました。
合格までに7回転させました。
過去問題集はTACのものですが、当時の問題集は今は販売していません。
過去問題集は解説が重要なので、分かりやすい解説のものを選べば、どの資格学校のものでも問題ないと思います。
おすすめ資格講座
独学では時間がかかりすぎるという人は、資格講座を利用するのも手です。
当時の管理人は、学生でお金がなく、仕方なく独学で勉強しましたが、時間節約のためにも資格学校や通信講座を利用したかったというのが本音です。
簿記3級と2級なら通信講座の費用がお手頃です。
1級になると大手予備校しか講座を開設していません。
・資格の大原
・TAC
・LEC
本命はこの三校でしょうか。
Web講義ならネットスクールもありです。