世の中には、「士業」と呼ばれる人達がいます。
士業と呼ばれる職業は、一般的には高い専門性があるものが多いです。
中でも弁護士、公認会計士、不動産鑑定士は、三大資格と呼ばれており、高い専門性とともに高難関の資格です。
士業になるには、試験に合格する必要がありますが、簡単に取得できるものは少ないのに、名前の響きだけで勉強をスタートする人は多く、後になって後悔する人もいます。
管理人も社会保険労務士と行政書士が何の専門家なのか分からずに勉強をスタートして失敗しました。
ここでは、士業にどのようなものがあって、それぞれの士業がどのような分野を扱うのか紹介します。
士業とは
士業というのは、弁護士、税理士、行政書士など、職業に「士」が付く職業を指します。
「士」は、武士の士であるので、士業を「サムライ業」と呼ぶこともあります。
少し前に「宅地建物取引主任者」が「宅地建物取引士」に名称が変わりましたが、これは宅地建物取引主任者が果たす役割が大きいということから、士業に格上げされました。
こういった例は、士業が高い専門性と社会に果たす役割が大きいことを表しています。
士業の多くはそれぞれの専門分野を持ち、試験も難しいものが多く、弁護士のように10年以上かかるものもあります。
一般的に士業は、その資格を有している人だけに独占的な業務を行うことが許されるため、その資格に合格してからがキャリアのスタートラインといえます。
民間資格にも、名称の最後に士を付けた資格がありますが、民間資格の士業は独占業務がなく、資格ビジネスが目的というケースがほとんどなので要注意です。
高い受講料を支払ったのに役に立たず、職業にありつけないという話も聞きます。
スポンサーリンク
8士業
顧客の住民票や戸籍といった資料を手に入れる職務請求が認められている8つの士業を「8士業」と呼ぶことがあります。
この職務請求が認められている資格には、弁護士、司法書士、税理士、社会保険労務士、弁理士、土地家屋調査士、行政書士、海事代理士の8つがあります。
弁護士と税理士くらいは知っていても、それ以外の資格は聞いたことがない人の方が多いと思います。
ある雑誌が行ったアンケートを読んだときのこと、司法書士や弁理士は高難度な割に意外と知られてなくて驚いたことがあります。
反対に行政書士は「カバチタレ」という漫画によってドラマ化もされています。
ただ、行政書士の名前を知っている人も、業務内容については知らない人がほとんどだったりします。
行政書士は、主に行政機関に提出する書類を作成しますが、作成できる書類は数千種類に及ぶともいわれています。
社会保険労務士、土地家屋調査士、海事代理士にいたっては、名前すら聞いたことがない人の方が多いです。
社会保険労務士と名乗っても、保険屋さんと間違われることが多いです。
司法書士は所有権の移転などの登記ですが、土地家屋調査士が行うのは、新しく建物を建てたときに行わなければいけない表示の登記についてです。この二つの違いを知ってる人はかなり少ないです。
八士業と業務内容
弁護士・・・法律事務全般
司法書士・・・登記の手続き、裁判所・検察庁・法務局に関する書類作成
税理士・・・税金に関する書類作成、申請手続き代理、税務相談
社会保険労務士・・・労働社会保険に関する手続き代理
弁理士・・・特許に関する手続き代理
土地家屋調査士・・・表示の登記に関する手続き
行政書士・・・官公署に提出する書類の作成、手続き代理
海事代理士・・・海事に関する行政機関の手続き代理
8士業以外の国家資格の士業
8士業以外にも士業と呼ばれる国家資格があります。
公認会計士、不動産鑑定士、中小企業診断士、建築士、技術士、宅地建物取引士、マンション管理士、ファイナンシャルプランニング技能士といったものです。
士業は、登録すれば独立できるものが多いですが、宅地建物取引士はそれだけでは独立はできず、別に宅地建物取引業の免許が必要です。
また、士業によっては事務所が必要なこともあって、事務所要件というものを設けていることがあります。
公認会計士、不動産鑑定士、中小企業診断士、建築士、技術士は合格率から見ればいずれも難関資格です。
最近人気のファイナンシャルプランニング技能士は、それほど難しい試験ではないので、士業という認識がない人が多いです。
国家資格の士業には、業務独占資格と名称独占資格があります。
公認会計士、不動産鑑定士のように、その資格者でなければ行うことができない業務があるものを業務独占資格といいます。
独占業務がなくても、中小企業診断士やマンション管理士のようにその資格がなければ名乗ることができないものを名称独占資格といいます。
八士業以外の士業と業務内容
公認会計士・・・会計の監査業務
不動産鑑定士・・・不動産の鑑定業務
中小企業診断士・・・中小企業の経営診断
建築士・・・建物の設計、建築の監理
技術士・・・技術に関するコンサルタント
宅地建物取引士・・・不動産の取引業務
マンション管理士・・・マンション管理に関するコンサルタント
ファイナンシャルプランニング技能士・・・個人の生活設計に関するコンサルタント
まとめ
士業の資格は、今回紹介した以外にもあります。
民間資格にも士が付く資格がありますが、国家資格の方が難易度が高く、評価されやすいのが普通です。
どうせ資格の勉強を頑張るのであれば、評価される国家資格の方をおすすめします。