ファイナンシャルプランナー(以下FP)資格には、国家資格のFP技能士、日本FP協会が認定するAFPとCFP、生命保険協会の認定FPとがあります。
いずれも団体が違うので、「FPの資格はたくさんあってややこしい」とよく言われます。
そこで全てのFP資格を取得し、FP資格の講師をしていた管理人が、ややこしいFP資格について解説します。
国家資格のFP技能士、民間資格のFP協会資格、それぞれの評価
FP技能士の資格は、国家資格になるので3級でも国家資格の保持者になれます。
初めてFP技能士を目指す人は、3級から目指すか、認定研修を受けて2級FP技能士から目指すかのどちらかになります。
日本FP協会認定のFP資格は、民間ながらそこそこ知名度が高いです。
評価としては、「AFP」資格が普通資格になり、「CFP」資格がAFPの上位資格になります。
CFP資格は、アメリカの資格なので、日本人よりもアメリカ人に知られている資格です。
ちなみに、AFP資格は、日本FP協会が作った民間資格になりますが、AFP資格はアメリカにはありません。
FP資格を知名度で見てみると、「FP技能士」と「FP協会のFP資格」の知名度が高いです。
保険会社の認定FPは、保険会社以外の人はまず知りません。
保険会社の認定FP資格は、普通に勉強すれば誰でも取れるので、FP業界での評価も高くはありません。
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FP資格のそれぞれの難易度
管理人の体験をもとにFP資格の難易度を比較してみます。
そのかわり、資格の講師として2級FP技能士も3級FP技能士も教えてましたので、難易度はどれくらいか知っています。
世間的には、FPを名乗るのは2級からといった風潮があります。
しかし、実際は資格がなくてもFPを名乗れます。FP資格は名称独占資格(または商標権)なので、名乗れないのはFP技能士やCFPといった名称です。
ファイナンシャルプランニング(FP)技能士の1級~3級
国家資格のFP技能士には、1級から3級まであります。
資格の難易度と価値は、1級FP技能士が最上位に位置します。
3級FP技能士は、FP資格の入門的な位置づけで、1、2週間勉強しただけで合格してしまう人もいます。
2級FP技能士には、受験資格がありますが、3級に合格していれば実務経験がなくても受験できます。
3級FP合格以外だと、実務経験がある場合や、AFPの認定講座を受講した場合等が受験できます。
2級FP技能士の合格には、しっかりとした勉強が必要になります。一般的に2級FPの合格には200時間~300時間の勉強が必要とされています。
1級FP技能士にも受験資格があります。1級FP技能士だけが実務経験が必要になります。
1級FP技能士を受験するには、2級FPの合格者で1年以上の実務経験が必要です。
1級FP技能士の学科の合格率は10%、実技の合格率は80%程度なので相当の勉強が必要です。
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ファイナンシャルプランニング技能士の合格までの受験体験
ファイナンシャルプランナー(以下FP)の資格は、かなり複雑です。 国家資格のファイナンシャルプランニング技能士(以下FP技能士)の他にもFP協会が主催する「AFP(普通)」と「CFP(上 ...
日本FP協会が認定するFP資格「AFP」と「CFP」
日本FP協会の認定資格には、「AFP」と「CFP」があります。
AFPには、2級FP技能士の試験合格とFP協会の認定研修の2つの要件をクリアすればなれます。
CFPに場合は、①大学院でFP協会認定の単位を取得した人、②AFPの人、に受験資格があります。
CFP試験の6課目に合格したうえで、CFP研修を受講すればCFPになれます。
CFP試験は、課目合格制なので、全ての課目を一度に合格する必要はありません。
生命保険協会の認定するFP資格
生命保険協会の認定するFPには、簡単な順から一般課程、専門課程、応用課程、大学課程があります。
FP試験だと、金融資産や不動産運用といった広い範囲まで勉強しますが、生命保険協会のFP資格はそんなに範囲は広くありません。
一番上位の大学課程でもそんなに難しくはないので、保険業界でも評価は高くありません。
3級FP技能士より難しく、2級FP技能士より簡単といったレベルです。
合格した人も、「せっかく取得したから名刺に載せとくか」といった程度だと思います。
FP資格の難易度比較、FP技能士からFP協会のAFP、CFPまで
FP資格の難易度を難しいものから順に並べると、1級FP技能士 ≧ CFP >>> 2級FP技能士=AFP > 保険会社の認定FP > 3級FP技能士 といったところです。
1級FP技能士は、学科の合格率が10%と低いので一番難しいです。
1級FP技能士試験よりもCFP試験の方が高度な問題が出ることがありますが、CFP試験は、1課目の合格率が30%~50%なので勉強すれば誰でも合格できます。
そのため、1級FP技能士よりCFPの方が易しいです。
就職・転職に効果があるのは2級FP技能士・AFPから
正直言うと3級FP技能士と保険会社の認定FP資格は、簡単なので履歴書に書いてもあまり効果は期待できません。
履歴書に資格を書きたいという人は、2級FP技能士やAFPの取得を目指してください。
2級FP技能士とAFPで学ぶ内容は、金融、不動産、保険、住宅ローン、教育資金、老後、と実生活でも役に立つものばかりです。
試験内容も実社会の変化に対応しているので、時代に合わせたものが学べるはずです。
特に社会保険制度は、高額療養費、傷病手当金、年金の繰り上げ支給、付加年金、といったものを学ぶわけですが、社会保険制度は基本的に申請主義なので、制度自体を知らなければ社会保障の恩恵を受けることが出来ません。
知識の有無が生活の格差を生むことがあるので、FP資格は学んだことが生きる資格です。
実務者ならAFPやCFPがおすすめ
AFPやCFPになると、継続教育といって資格を維持するために単位の取得が必要です。
維持するための費用がかかりますが、FP協会から毎月、FP向けの会員誌が送られてきます。
この会員向けの雑誌には、法改正やFP向けの情報が載っているので、FPとして活動しているからには最低限知っておかなければならない情報が入ってきます。
特に税金や社会保険は、毎年改正されるので、FPとして活動している人には役立つはずです。