最も効果の高い投資は自己投資といわれているように、身に付けた知識や経験は資産になります。
若いうちは自分に投資することが大事なので、どんどん自分にとって有益なセミナーに出たり、習い事をしたり、読書したり、勉強するのがよいでしょう。
自己投資をしている人に、どんな自己投資をしているかアンケート取ると、必ずといっていいほどランクインするのが「資格の勉強」です。
社会人になってから学歴を得るのは、時間もお金もかかり、どれだけの効果が得られるか不透明のうえ、費用対効果もよくありません。その点資格の勉強なら、働きながらでも両立が可能ですし、内容が実用的なものが多いです。
そこで、資格関係の仕事に携わっている管理人が、資格選びのポイントについて考えてみました。
資格を取ったら人生バラ色?
管理人も資格関係の仕事に携わっているので、資格学校のホームページやパンフレットはよく見ますが……まあ、耳障りのいいことしか書いてません。
「就職に強い一生ものの資格」
「ニーズは安定しています」
「プロとして活躍できる」
こんな文言が並ぶ肝心の資格はというと、ほとんどの人が合格できる合格率の高い資格ということも少なくないです。
これだけを見たら、この資格を取得したら一生安泰物と勘違いする人もいるかもしれません。
実際は、この資格を取ったからといって仕事はたいして増えないというのが本当のところです。
10年以上前の話ですが、当時の教育訓練給付は資格講座を利用すると8割の受講料が戻ってくるという内容でした。
当時は景気も悪く、資格学校のアピールもあって資格ブームが起こりました。
その後資格ブームは落ち着いたと思ってましたが、現在もまた資格ブームなんだそうです。
数年前に「資格を取ると貧乏になります」という本が話題となりましたが、確かに資格を取っても活用できなければ意味がありません。
また、資格を取って独立しても、売上がなければ維持費ばかりかかってどんどん貧乏になります。
例えば、行政書士や社会保険労務士でも年間10万円の維持費がかかります。
行政書士や社会保険労務士でなければできない業務もありますが、実際は年間10万円の維持費が負担で廃業する人が多く、軌道に乗るまで10年かかった人もいます。
また、弁護士といえば高給取りのイメージがありますが、5人に1人は年収100万円以下といわれています。
資格を取ると貧乏になりますというのは、なかなか的を得ています。
資格を取って成功するには、営業力が必要です。
ゴミ資格では、営業力があっても仕事につながらないので、資格選びは重要です。
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ゴミ資格とは
このサイトでは、おすすめしない、役に立たない、取ると損する、といった資格をゴミ資格と呼んでいます。
このサイトでいうゴミ資格の特徴とは、
1.その資格がなくても仕事はできる
2.就職に役立たない(あってもなくても関係ない)
3.維持費がかかる
4.受講だけで取れる又は高い合格率
をいいます。
上記のうち、3つ以上あてはまる資格はゴミ資格の可能性があります。
中にはその資格を取って活動していることが法律違反というものもあります。
例えば、管理人も取得している住宅ローンアドバイザーという資格があります。
この資格は、不動産会社の従業員やファイナンシャルプランナー(FP)の人なら持っている人が多い資格です。
主な業務としては、住宅ローンについて悩みを抱えたお客さんにアドバイスをすることです。
住宅ローンに関するアドバイスをする資格なので、お客さんから相談を受けて金融機関を紹介したりするアドバイザーもいますが、住宅ローンのあっせんは貸金業の登録がないとできません。
アドバイスする場合は、一般的な金利をもとにしたアドバイスに留める等の配慮が必要です。
このほか管理人も取得した相続関係の資格には、〇〇士や○○アドバイザーといったものがあります。
相続というと相続税や遺産分割協議や裁判、不動産の売却が絡むので、いろいろな専門家が携わります。
相続税は税理士、遺産分割協議は司法書士や行政書士、裁判は弁護士、不動産の売却は不動産会社、こんな感じで各分野の専門家が出てくるのですが、相続士やアドバイザーは各専門家に取り次ぐだけしかできません。
相続士は、各専門家と連携して解決するというのですが、紹介料をもらうビジネスなのでしょうか。
実は、知り合いに相続士がいるので稼げるのか聞いたことがありますが、3年やってまだ仕事の依頼がないそうです。
その資格がなくても仕事ができる
実は、世の中にある資格のほとんどは、その資格がなくても仕事が行えます。
現在、人気の資格といえば、ファイナンシャルプランナーや簿記、医療事務、士業といったものがあります。
ファイナンシャルプランナーは、資格がなくても仕事ができます。
簿記も資格は不要ですし、医療事務も同様です。
士業のうち、司法書士や税理士は独占業務として保護されていますが、社会保険労務士や行政書士は報酬を得る場合に独占業務があるだけです。
弁理士、不動産鑑定士といった業務も有償独占業務とされ、有償でなければ資格は不要となります。
世の中には、その資格がなくても仕事ができるものがほとんどです。
資格がなければできないというより、その資格があることが能力や知識の証明になったりするので、名乗ることができると捉えた方がいいかもしれません。
資格は知識の証明にはなり、学んだことは資産になります。
資格で学んだ知識を活かし、専門性と権威性のあるブログや動画を発信すれば、検索エンジンで評価(専門性と権威性)されやすくなります。
学んだことを活かせるかどうかの方が重要になっています。
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就職に役立たない
日商簿記の3級が就職に役立つことはほとんどありません。
経理は資格よりも実務経験が重視される世界だからです。
日商簿記なら最低でも2級以上ないと就活で見向きもされないはずです。
しかし、だからといって日商簿記3級がゴミ資格とは限りません。
なぜなら簿記の知識は社会人として生きていくうえであって損はないですし、簿記3級は会計の基本となる資格だからです。
費用対効果は悪くなく、むしろおすすめしたい資格が簿記3級です。
コールセンターの資格に、コンタクトセンター検定というものがあります。
しかし、この資格があっても就職を左右することはほとんどないでしょう。
そもそもコールセンターで働く人のどれだけがこの資格の存在を知っているかというレベルです。
簿記と違って、こっちの資格はほとんど役立たないでしょう。
維持費がかかる
資格ビジネスのために作られた資格の多くは維持費がかかります。
特徴としては、受講だけで取れるものや高い合格率のものが多いです。
合格した後に登録してもらい、定期的な更新料で収入を得るのが目的なので、合格率を高くして多くの受講者に登録してもらう必要があるからです。
〇〇情報保護士、相続〇〇士といった資格は更新が必要です。
個人的にはゴミ資格の最たるもののような気もします。
また、士業も年会費がかかります。
いずれの資格も維持費がバカらしくて止めてしまう人は多いです。
受講だけで取れる又は高い合格率
受講だけで合格できたり、高い合格率の資格は誰でも取れます。
中には設置義務があって合格率が高めの資格もありますが、合格率が高いということは何時でも誰でも取れるということです。
状況次第ではゴミ資格になる可能性がありますが、簡単に取れるので被害はたいしたことありません。
国家資格の中にも設置義務があるものは、最初だけ合格率を高くして、その後だんだん合格率を下げていくこともあります。
例えば、貸金業務取扱主任者や管理業務主任者といった資格は、最初の頃はほとんどの受験者が合格できましたが、今では合格率が20%~30%です。宅建も最初の頃は合格率が90%を超えていたといわれています。
こういった資格はむしろ取得しておいた方がよく、後で化ける可能性を秘めています。
ゴミ資格のまとめ
世の中には、その資格がなければできないというのは、実は多くはありません。
とはいえ資格の勉強が自己投資として人気があることは事実ですし、効果も期待できます。
自己投資の効果を測定するため、勉強の延長に資格合格を置くということもできます。
であるからこそ、資格は取ればいいというものではなく、今後どのような進路を進むかも重要になります。
士業といえば難関資格の代表ですが、現在は廃れていく代表的な資格でもあります。
何年もかけて合格した後、何十万円もする登録料と会費を費やして独立したのに、食えない人は多いです。
独立した後に集客でつまずく人がほとんどなので、将来独立したい人は、自分をアピールするチャネルを多く持っておくといいかもしれません。