宅地建物取引士(以下宅建士)として仕事をするには、試験に合格しただけでは不足で、登録および宅建士証の交付を受ける必要があります。
合格しても宅建士として仕事をする予定がないのであれば、もちろん宅建士証の交付を受ける必要はありません。
維持費もかかることから、中には登録だけに止めておく人もいます。
宅地建物取引士になると行えること
宅建士になるということは、宅建士試験に合格後、宅建士登録および宅建士証の交付を受けてる状態ということです。
宅建士証がなければ、宅建士としての仕事を行えませんし、名乗ることもできません。
では、宅建士になると行えることとは何かというと、宅建業法で定められた以下の業務をおこなえます。
・重要事項説明
・重要事項説明書への記名押印
・37条書面(契約書)への記名押印
重要事項説明は宅建士しか行えませんが、37条書面の説明は資格がなくても行えます。重要事項説明だけ事務のおばちゃんがして、契約書だけ営業担当者が行うといった様子は不動産取引でよく見る光景です。
管理人が働いていたセ〇ンチュリーでは、重要事項説明はおばあちゃんの担当でした。
宅地建物取引士証の交付までの流れ
宅建士試験合格後から、宅建士証交付までの流れを簡単に説明します。
①宅建士試験合格発表
②実務経験が2年以上ない人は登録実務講習を受ける
③都道府県知事の資格登録を受ける
④宅建士証の交付を受ける
宅建士証の交付後も5年に1回の更新が必要です。
更新する際には法定講習の受講(1日かかる)と新しい宅建士証の交付が必要です。
現在では、法定講習と宅建士証の交付に16,500円かかります。
宅地建物取引士の登録
宅地建物取引士の試験に合格しても、宅建業者で従事する予定がなかったり、宅建士になるつもりがない人は、必ずしも登録する必要はありません。
その場合でも合格が取消されるということはありません。
宅建士の登録には、前述したように①過去10年間に2年以上の実務経験があるか、②登録実務講習を受けるか、どちらかの要件を満たす必要があります。
実務経験がない人は、資格予備校が実施する実務講習を受講することになりますが、これは実施する団体によって費用が異なります。だいたい2万円前後が相場のようです。
管理人が受講した時は、不動産流通推進センター(旧不動産流通近代化センター)が実施していましたが、現在は休止しているようです。
2年以上の実務経験があるか、登録実務講習を修了した人は、宅建士の資格登録ができます。
登録に必要な書類については以下
・登録申請書
・誓約書
・身分証明書(発行から3か月以内)
本籍の市町村が発行する証明書
・登記されていないことの証明書(発行から3か月以内)
法務局に行って取得(東京は郵送可)
・住民票(発行から3か月以内)
申請者本人のみの記載のもので、本籍・続柄の記載は不要
・合格証書のコピー
窓口で申請は原本も必要(郵送の場合不要)
・顔写真1枚(3㎝×2.4㎝のカラー)
・登録資格を証する書面
①実務経験が2年以上の人は実務経験証明書および従業者名簿のコピー、②登録実務講習の人は修了証明書
・登録手数料(37,000円)
申請窓口 公益社団法人神奈川県宅地建物取引業協会
郵送可
宅地建物取引士証の交付
宅建士の資格登録を受ければ、都道府県知事に宅建士証の交付を申請できます。
宅建士証がないと宅建士の業務が行えないので、現在、またはこれから宅建士として業務する人は交付を申請しましょう。
試験合格から1年以内の人が宅建士証の交付を申請する場合の必要書類
・宅建士証の交付申請書
・同一の顔写真3枚(3㎝×2.4㎝のカラー)
・登録通知書
・手数料 4,500円
試験合格から1年を経過している場合は、法定講習の受講が必要になります。
試験合格から1年を経過している人が宅建士証の交付を申請する場合の必要書類
・宅建士証の交付申請遺書
・宅建士講習受講申請書
・同一の顔写真4枚(3㎝×2.4㎝のカラー)
・登録通知書
・法定講習受講料および手数料 16,500円
宅建士証は、宅建士登録申請から数か月してようやく届きます。
今回のまとめ
・宅建士として仕事を行うには、試験合格後に登録と宅建士証の交付が必要。
・宅建士登録には、①実務経験が10年以内に2年以上、または②実務講習が必要。
・試験合格から1年以上経過してる場合に宅建士証の交付を受けるには法定講習の受講が必要。
・最低でも登録に37,000円、宅建士証交付に4,500円(法定講習が必要な場合は16,500円)がかかる。
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