世の中には、数多くの資格があります。
誰でも知ってる有名な資格があれば、ほとんどの人が聞いたことがないような資格もあります。
日本にある資格の数は、1,000を超えるともいわれていて、このことからも日本人の資格好きがうかがえます。
管理人自身も、失業者を対象に就職のあっせんをしたり、資格取得に向けて勉強したり、資格の講師をするなど、資格とは縁があります。
日本で就職に有利といわれる資格にはどんなものがあるか
日本で就職に有利といわれる資格で有名なものといえば、英語検定や簿記資格、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)といったものがあります。
弁護士や公認会計士、税理士といった資格は、取得に費用と時間がかかり、難易度も高いので就職・転職向きの資格とはいえません。
みんながいう就職に有利な資格とは、勉強をしながらも、ほどほどに遊べて、それなりに努力すれば誰でも取れる資格です。
就職に有利といわれ、企業からの需要が高い資格ランキング
1位: TOEIC
2位: 日商簿記2級
3位: MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
4位: 宅地建物取引士(宅地建物取引主任者)
5位: FP(ファイナンシャルプランナー)
TOEICは、点数で英語力を表すものなので厳密には資格とは呼べないかもしれませんが、今は日本で働く外国人も増え、英語が必須となりつつあります。
外資系では最低でも800、英語を仕事とするなら900点以上はないと仕事にならないといわれます。
日商簿記は、会計や事務で必要とされる複式簿記や記帳を学びます。
実務では会計ソフトを使いこなせることが重要です。
日商簿記2級は、年々難しくなっているので、独学での合格が難しくなってきました。
MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)は、パソコンのWordやExcelといった文書作成ソフトに関する資格です。
どの企業でも最低限のパソコン能力を必要としていることが多いので、実務的な知識の証明になる資格です。
宅地建物取引士は、不動産の取引で欠かせない資格です。
不動産会社では、重要事項の説明と5人に1人の割合で宅地建物取引士が必要です。不動産業界での求人募集があります。
FPは、個人の資産運用やお金に関する資格です。
FPの知識は実生活で役に立つことが多いのですが、証券会社と保険会社以外では中途半端となる可能性があります。
求人が多いのは、保険会社です。
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人気資格を必須資格としている募集は思ったよりも少ない⁉
日商簿記2級やMOSといった資格は、人気資格のランキングでたびたび見かける資格です。
ところが、実際にそれらの資格を必須としている求人募集をみると、資格を取ったからといって飛びぬけて増えるわけではありません。
管理人も過去には就職のアドバイスをしていた時期がありましたが、募集が多いといわれる日商簿記2級なのに必須としている求人はそこまで多くはありませんでした。
というのも日商簿記2級もMOSもTOEICも、その資格がなければ仕事ができないわけではないからです。
宅地建物取引士の場合は、不動産業界の求人募集で有資格者限定の求人が出ることがあります。
宅地建物取引士には、不動産契約の前に重要事項説明といった業務があって、それを行えるのが宅地建物取引士に限られているからです。
宅地建物取引士の試験は、1年に1度しかなく、合格率が15%~20%と低いので、宅建士の資格をもっていない不動産営業は多く、常に資格取得者を募集しています。
資格の合格証が実務能力の証明になってるわけではない
資格試験の問題は、資格を取ったからといって実務能力を保証しているわけではないことです。
資格試験の中には、弁護士や税理士等のように研修や実務経験が必要なものがありますが、多くの資格は実務能力がなくても取れてしまいます。
士業といったら専門家のイメージですが、士業の一つである行政書士は、開業して仕事を受任しつつ実務能力を身につけていきます。
行政書士の試験でも法律は出題されますが、実務的な問題は試験で全く出ませんので、実践で身につけるしかないといわれています。
社会保険労務士の場合は、一応は研修がありますが、ほとんどの実務は実践で身につけるしかなく、そういったことでは行政書士と似ています。
FP(ファイナンシャルプランナー)に至っては、資格保持者でもFPが何の仕事なのかよく分かってない人がいるくらいです。
日本の雇用保険制度にも問題あり
管理人は、行政からの依頼で失業者を対象にした資格講師をしたことがあります。
失業給付を受けている人が、対象となる職業訓練を受けると、失業給付の期間が延びることがあるので、失業給付の延長目的で職業訓練を受ける人もいます。
雇用保険を実施している政府もとりあえず資格の勉強をさせているような面もあります。
失業給付が目的のため、勉強をして資格を取っても、勉強したことと全然関係ない就職先を選ぶ人も多くいます。
中には、せっかく取った資格を活かそうと、会社を紹介してもあれはダメ、これもダメと全然就職が決まらず、資格を取ったことがあだとなったケースもあります。
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本当に必要な資格は労力と時間がかかります
誰もが簡単に取れる資格だったら、就職に有利になることはないでしょう。
生命保険募集人は、資格がないと業務を扱えませんが、簡単に取れる資格なので有利になることはありません。
それなりに労力と時間がかけて、最低でもその資格がないと業務を扱えない(できれば独占資格)資格でなければ、必要とされるのは難しいと思います。
また、需要の高い資格だと実務経験が必要なことがほとんどです。
建築士、税理士、宅地建物取引士、社会保険労務士といった資格は、求人が期待できますが、いずれも実務経験を必要としていることが多いです。
どの資格を取るかは、経験があるものから探すとよいかもしれませんね。
資格の勉強は自己投資にもってこい
資格を取れば就職に有利になりますが、過度の期待は禁物です。
資格がないと応募資格すらない求人がありますが、調べてみるとそこまで多くはありません。
しかし、スキルアップに資格の取得はもってこいです。
若いうちの自己投資は買ってでもした方がよいと言われていますが、自己投資には何があるでしょう。
資格勉強、読書、セミナー受講など、実に様々ありますが、資格の勉強以外は効果が分からないものがほとんどです。
資格の勉強は、試験に合格することが一定の効果が得られたことの証明になります。
就職につながるかどうかは別ですが、資格の勉強を通して学んだことは無駄ではなく、将来役に立つことも多いはずです。
世の中には、資格の勉強をしている人に難癖をつけてくる人がいます。あなたの周りにもいませんでしょうか?ネットもそんな人だらけです。
そういう人は、他人を否定するだけの何も勉強しない人なので無視しましょう。
何もやらない人と、毎日コツコツ勉強した人とでは、将来大きな差となって現れます。
就職・転職に効果がある管理人おすすめの資格
日商簿記2級
小さい会社だと複式簿記が分かる人がいないなんてことも多いです。
そういった会社では簿記の資格者を募集することもあります。
日商簿記2級の資格は、おすすめ資格ランキングでも上位安定の人気資格です。
宅地建物取引士
不動産業界では、設置が義務付けられているので、宅建士の登録している人の募集をよく見ます。
試験の合格率が15%程度ですが、しっかり勉強すれば6カ月以内での合格も可能です。
不動産業界では、抜群の効果を発揮します。
民法の基本的なことも学ぶので、日常生活にも役立ちます。
士業(○○士)
士業の場合は就職先によります。有資格者を募集しているケースと、反対に有資格者はダメといったケースがあります。
士業の資格は就職するよりも独立して初めて活かせます。例外として社労士だけが会社で働きながらの登録ができます。
医療・介護系
今後ますます高齢社会の増加が見込まれていますから、医療や介護は将来性があります。
看護師、医療事務も求人の多い資格です。
介護系の資格も求人が多いですが、介護系は全般的に人手不足なので、資格がなくても大丈夫なことも多いです。
介護業界未経験の人は、介護職員初任者研修を取得しておくと、後が楽かもしれません。
これからの日本は、資格だけでは食べていくのは無理
最近では、士業(税理士や司法書士、社会保険労務士など)がITに仕事を奪われるといわれています。
政府も電子申請を推奨しだしたので、書類を作成することが仕事の士業は大変です。
ITの進歩が早いので、せっかく取った資格も気づいたらダメ資格になってたなんてこともあり得ます。
これからの時代は、少ない労力で、社会のニーズが高い資格を取ることを目指すのがよいでしょう。
社会が変化してダメ資格になっても、少ない労力で取ったのであれば、資格にこだわる必要ありませんからね。
下手に苦労して取ると、「あんなに苦労して取った資格がダメ資格なわけがない」と変にこだわって深みにはまる可能性があります。