経済的な理由で高校に進学できなかったり、いじめを受けて高校を中退せざるを得なくなることは本人にとってはもちろん、日本経済から見ても損失です。
中卒でも社会でバリバリ働いている人もたくさんいますが、高校を中退して仕事もせず、学校にも行かない人が多いのも事実(総務省の「就業構造基本調査によると15歳~19歳で13万人以上とダントツに多い」)です。
高校を卒業できなかった理由は様々で、「一家の大黒柱だったお父さんの突然の死」、「両親の離婚」、「いじめ」、その他経済的な理由等があります。
大学や専門学校、資格試験には高校を卒業していることが条件のものも
大学のほとんどは高卒以上であることを受験資格としています。
また、専門学校や資格試験にも高卒以上を受験資格としているものが多いです。
もっと深刻なのは、仕事を探してもアルバイトですら「高卒以上」を応募条件としていることが多いことです。
「ドキュメント高校中退―いま、貧困がうまれる場所」という本でも、「中卒や高校中退だとアルバイトしかない」、「アルバイトの面接すら受けさせてくれない」と実際に高校を中退した子の声を紹介してますが、高卒であることは中卒や高校中退よりも様々な面で可能性が高まります。
高卒であれば、大学や専門学校の進路が増えるだけでなく、就職の機会も増えます。
高校卒業には、労力と時間がかかりますが、学歴は一生のものなので努力するだけの価値はあります。
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高卒認定を目指せ!高卒認定とは?高卒認定は昔あった大検
高卒認定というのは、正式には「高等学校卒業程度認定試験」といい、昔の大検にあたります。
また、定時制・通信制の生徒以外の、全日制の生徒にも受験が認められるようになりました。
「高卒認定」に合格すると、大学や専門学校に進学する際に、高卒と同等の扱いになります。
また、就職や資格試験でも高卒と同等の扱いとされることもあるようです。
高卒認定試験の概要
高卒認定試験は、最大8科目あり、科目ごとに合格・不合格が判定され、一度合格した科目はその後の試験でも有効です。
一度に合格する必要はなく、2回に分けて合格を目指すということも可能です。
受験資格は、16歳以上であることです。
試験は、8月と11月にそれぞれ2日間で実施されます。
試験内容は、高校で学ぶ基本的な内容から出題され、4~5個の選択肢から答えを選ぶマークシート形式です。
合格するためには、40%以上の正解が必要なようなのですが、教科書に載っている内容が理解できれば合格は難しくないようです。
定時制高校とは?ヤンキーはやっぱ多い?
管理人もひきこもり支援をしたことがありますが、中学の時にいじめにあってから、その後何年もひきこもっている人は多いです。
そういった人におすすめなのが、定時制高校です。
定時制高校では、夕方の5時半から夜の9時まで授業が行われます。
定時制高校に通う生徒は、ヤンキーが多いイメージですが、ひきこもりから復帰して定時制に通う人も実は結構います。
定時制高校は、夜間の授業なので、昼に仕事しながら通うことも可能です。
定時制高校への入学はかけ算ができない人でも入学できてましたが、そのかわり大変なのは入学後で、卒業まで根気強く通い切る方が難しいようです。
管理人の周りにも定時制高校へ進学した人はたくさんいますが、卒業まで通い続けた人は少ないです。
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通信制高校では自習が中心?通信制高校とは
定時制高校の他には、通信制高校というものもあります。
通信制高校の勉強は、自分で勉強しながら課題を郵送で提出するレポートと、実際に学校に行って授業を受けるスクーリングによって行われます。
通信制も定時制と一緒で、やる気さえあれば基本的には入学できます。
定時制だと通常は最短で4年かかりますが、通信制ならレポートをちゃんと提出してスクーリングにも出席すれば3年で卒業することも可能です。
管理人も建設現場で働きながら3年で卒業しましたが、毎日少しずつ(1時間以上)でも勉強していれば難しいことではないと思います。
定時制高校よりも通信制高校の方が自由がきくので、スクーリングの日に休みが取れる人であれば、卒業しやすいと思います。
通信制高校の生徒は、普段働いている人が多いので、スクーリングの日は土日が主です。
管理人の体験記
実をいうと、管理人も高卒認定(当時は大検)を目指しながら通信制の高校を卒業しました。
管理人が通っていた中学校はヤンキーが多く、学生が悪さをするたびに新聞に何度も出ているような学校で、パトカーがよく見回りに来てました。
そんな学校だったので、中学を卒業しても進学しない子も多く、それどころか高校に進学する子を馬鹿にするような風潮さえありました。
管理人が高校卒業を目指すようになったのは、建設現場で一緒に働いていた暴走族の少年から高校に行かないかと誘われたからでした。
中卒では、肉体的にきついものしか仕事がないと限界を感じていた管理人にとって、渡りに船でした。
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高卒認定、定時制高校、通信制高校を卒業した後は
少し前ですが、過去に大卒を高卒と偽って就職した人がニュースになりました。
しかし、学歴をわざわざ低くする例は少なく、世間の評価は中卒よりも高卒を評価するのが一般的でしょう。
なので、自分で事業を起こさない限りは、無理をしてでも高校は卒業しておくほうがいいと思います。
事業を起こすのであれば、学校なんて行かずに早く独立したほうがいいかもしれません。
文部科学省の調査によると、高卒認定試験に合格した45%が進学しているようで、24%が進学を予定しているのと合わせると4人に3人が進学の道に進んでいるようです。
定時制や通信制の場合は、高卒認定よりも進学率は低いようです。
高校卒業の資格を得る手段には、「高卒認定試験」「定時制高校」「通信制高校」と、普通に高校に進学する以外にも方法があります、自分に合った方法を選べばいいと思います。
不幸にも何らかの理由で高校進学を諦めたり、高校を中退した人であっても、道はあるということです。
高卒認定ガイドブックというものもあります。
学ぶのに遅い時はない
管理人自身、高卒認定試験の前身である大検の勉強をしながら通信制の高校を卒業しましたが、高卒認定や定時制高校、通信制高校といった選択は、中学しか出てない人や高校を中退した人の可能性を広げます。
既に社会人として活躍している人にとっても、専門職へと進む道や、資格取得への可能性を広げることができます。
学校の先生や同級生に、自分を否定されたからといって、自分を自分で否定する必要はありません。
社会に出ていろいろと学んで経験すれば、学校の先生が凄くないことはいずれ分かるようになりますし、優秀に見えた同級生にもいろいろな悩みを抱えていることが分かります。
少しずつでも自分の道を進んで行けば、いずれ目標にたどり着くことができます。
大事なのは諦めずに前へ進もうとする努力です。